耐糖能障害とは ~ 糖尿病の予備群

「耐糖能障害」とは、少し聞きなれない言葉かもしれないですが、「糖尿病予備群」のことです。

「糖尿病予備群」とは、血糖値が正常でないけれども完全に糖尿病を発症していない状態 = 「境界型糖尿病」のことをいいます。日本ではこの「境界型糖尿病」という言葉が使われることが一般的に多い傾向がありますが、WHO(世界保健機関)では「耐糖能異常」という病名になっています。

このレベルの血糖値では、糖尿病に特有の合併症は起こりにくいので、糖尿病と診断はされません。
しかし問題は、このレベルの血糖値でも「動脈硬化の進行が加速される」ことです。

耐糖能異常が起こるメカニズム

人は食物を食べると体内で消化されます。その後吸収されて血液中に「ブドウ糖」が増加します。

血液中の「ブドウ糖」の量が増える(血糖値が上がる)と、すぐに「インスリン」が分泌されます。「インスリン」は「すい臓」でつくられています。

「ブドウ糖」は、インスリンが作用することで細胞の中へ取り込まれます。それと同時に血液中のブドウ糖は減ることになります。食事から時間があいた場合にも、肝臓や脂肪などに蓄積された栄養を使うしくみが備わっていて、そのことにもインスリンが働いています。

これら「血液中の糖分を正常に戻し一定にしようとする働き」が人間の体には備わっているのです。これらの働きのことが「耐糖能」です。

 

しかし、インスリンの分泌不足が起きたり、作用不良などが起きると、血液中の糖分を正常に戻し一定にしようとする働き = 耐糖能に異常が起きてしまいます。この状態のことを「耐糖能異常」といいます。

耐糖能異常が起こってしまうと、血液中のブドウ糖の量が増加してしまいます(高血糖)。

 

健康な人の血糖

健康な人の場合、早朝空腹時の血糖は「70~110mg / dl」、食後血糖(最大血糖)は「140mg / dl未満」です。

 

耐糖能の検査方法

正式には、75g経口ブドウ糖負荷試験を行い、ブドウ糖を服用する前と服用後2時間の血糖値を測定して、「正常」、「予備群」、「糖尿病」を判断します。

空腹時血糖が110-125mg/dl, 随時血糖が140-199mg/dl, HbA1c6.0-6.4%の場合には、75g経口ブドウ糖負荷試験を勧めております。